日本の住宅事情は、これまでの新築中心の住宅市場から、中古住宅の循環型社会へと変わろうとしています。
今までの新築中心の住宅事情の問題点
1.新築住宅取得の負担増
新築建築コストは平成17年以降上昇し、また一方で若年層の所得は年々低下の一途です。そのため、消費支出に占める住居費の割合が一貫して拡大するなど、若年層が新築住宅を取得するための負担が以前と比べて増大しています。
2.省エネルギー化
今までの建てては壊すスクラップアンドビルドの考え方からは脱却し、新築に投入されるエネルギーや住宅を壊すときに出る廃棄物を減らし、住宅を長持ちさせることが省エネの観点からも必要となっています。
3.質の高い住宅ストックにならない
日本の住宅は20~25年の経済的耐用年数が設定されることや適切な維持管理をしてもそのリフォーム費用分の価値が上昇しないことから、所有者の意識も低く、中古住宅の質が高くならない現状があります。
4.資産価値
日本の住宅は、税法上、耐用年数22年と定められているため、約20年で無価値になってしまう不動産業界の慣習があります。そのため、一生懸命働いて35年ローンで住宅に投資しても資産価値が投資額を下回るので老後の生活が豊かになりません。
新築時、事業者は引渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられており、万が一事業者が倒産してしまっても補修費用を補填してくれる住宅瑕疵担保責任保険に入っています。
瑕疵担保責任保険では、設計施工基準の基礎の部分は、以下の通り。
- 基礎は地盤調査等及び地盤補強及び地業の結果に基づき、建築物に有害な沈下等が生じないように設計する。
- べた基礎は構造計算、別に定める「べた基礎配筋表」又は設計者の工学的判断等により基礎設計を行うこととする。
- 基礎の立ち上がり部分の高さは、地上部分で300mm以上とする。
→施工後、配筋検査を実施
鉄筋のチェックのみで施工法のチェックはありません!施工法により基礎の耐久性は大きく異なります。
宅建業法が改正され、住宅は循環型社会へと変わります。
(平成30年4月1日施行予定)
今後は、中古住宅のインスペクションが普及するとともに既存住宅売買瑕疵担保保険も普及することで、中古住宅の循環が促進します。
新築時には、耐久性、耐震性に優れた家を建て、中古になった時、適性に評価される時代になります。
後で交換できない基礎は新築時の施工が特に重要と言えます。